2004年3月アーカイブ

**バレ

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会社バレ、という言葉で悩む必要がない僕は恵まれているのかも知れない。
少なくとも入社前から自分のサイトは会社バレしているし、あろうことか初対面のお客さんにまでサイトが知られていることがある。他にも、メーリングリストに本名で投稿しまくっているのでそちら経由で知られていたこともある。

さすがに、繁忙期に MIDI サイトの更新をかけることはないけれど、それも会社バレ云々ではなくて、単に気力がないからだ。住民税の特別徴収額が変わるので、MIDI サイトや音楽作成関連で僕が副収入を上げていることは会社も知っている。特に文句を言われたことはないので、今年はもう少し大々的にやるつもりだ。
ここで書きなぐっている文句は常々社内会議や稟議に上げていることでもあるし、僕が週 4日ほど徹夜しているのは全員が知っている。

他にも親バレ、彼女バレ、などのいわゆる**バレがあるみたいだけれど、僕はどちらも既に通過済だ。大学留年中にサイトを閉じろという親の勧告は耳が痛かったけれど、それを仕事にするつもりだったので無視してしまった。

今、バレて困る相手は誰だろう。全て開けっぴろげというのも、何だか少し寂しい。

このところ温めていた新バンド企画の第一回ミーティングがあった。バンドでベースを担当するのは 2000 年に期間限定で活動していた possession to n 以来になるので、僕にとってはある意味リハビリに近い。とりあえず曲は曲決めもバンド名決めもなしで、詳細は 5月以降。

我々の特徴。

  • 横浜で練習するバンドなのに、4人全員がバラバラの沿線である。(京急、相鉄、JR、東横)
  • 全員携帯の業者がバラバラである。

音楽性までバラバラでないことを祈る。

API をよく確かめもせず適当にいじくりまわしていたら MovableType のあちらこちらの機能が壊れ、結局そのまま放置したままになってしまっていた。CVS の repository が入ったマシンが故障したせいもあって、結局元ソースから入れなおすはめになった。久々にまともにトラックバックが通るようになった。

何が原因でおかしくなっていたのかは結局わからなかったけど、今はそんなことを考えている時間がないので、問題は先送り。

無茶苦茶に忙しくなってきた。

土曜から寝ずに作っていた物件が間に合わず、月曜の客先レビューでは未完成のものを見せる羽目になった。移動中の日比谷線の神谷町駅で倒れていたせいで、あろうことか僕はそのレビューにすら遅刻してしまい各方面から大目玉だった。

今週もどうしようもなくやることが多い。今日中に完成させなければいけないものが数点。見積とスケジュール提示が数件。デバッグ数件。これが全部未着手だと思うと頭が痛くなる。何で全部今年度中なんだろう?

全然身に覚えのない延滞請求 キタ━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━!!

1 月から社保に入っているはずなのに、3 月度 (2 月分) の国保未払いの請求が区役所から来た。社保はちゃんと入っているはずなのに何故なんだろう。こういうのって会社の経理じゃなくて自分が手続きするものだっただろうか? 普通は会社がやってくれるはずだった気がするけれど。

ともあれ、2 万円は痛いので今日問い合わせる予定。

突然、去年の 2 月まで住んでいた東京都の板橋区役所から住民税の請求が来た。

平成 15 年度の住民税が前の会社の給与からの控除で年度の一部しか払われていないため、残りが通常請求に回ってきたとの事。でも、新しい会社の給与からも住民税は落ちてるはずなので、無職だった 3 ヶ月分以外に追徴が来るのはちょっと理解出来ない。二重取りではないのだろうか。

あとは、未払いとされている期間が長すぎるのも理解出来ない。未払いは 9 ヶ月分の額となっている。会社が潰れたのは 9 月末だから、なぜ年度の 3 ヶ月分しか払われていないのだろうか。控除されていた分から考えると、やはり二重取りではないのかと思ってしまう。

このあたりの仕組みは、よくわからない。

どんなエンコードで Ping を打たれても文字化けしないよう、独自でトラックバックの改造を進めていたところ、何をどうしても正常に Ping できない状態に陥った。

そろそろ MovableType 自体の再インストールをしたほうがよさそうだ。

裏目

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何と言うか、今日はやること全てが裏目に出る。

例によって自宅で朝まで作業して今日納期の仕事を終わらせた。なのに納品物を焼いたメディアを忘れてレビューに遅刻した。自宅に取りに帰って持って来たRWはなぜか読めず、結局再度取りに帰って USB メモリで持参し、現地でメディアを作成するはめになった。さらに、その USB メモリにも入れ忘れたデータがあり、早く帰宅してデータを送らねばならなかったのに送付が時間に間に合わず、慌てて送ったデータは中身が誤っていた。結局それはデータ支給元の入力ミスだとわかったのだが、今日の仕事が進まなかったことには変わりはない。

こんなことを続けていると早晩仕事を干されてしまうだろう。

学生時代から今に至るまで所属していた作曲サークルの卒業生追い出しライブに参加する。 3 年前に自分が追い出されて以来のライブ出演をする決意をした理由は、当時メインで一緒に活動していたメンバーのうち 2 人が京都を去ることになったからという理由が大きい。関東で彼等なしのバンド活動をしてみて、やはり以心伝心で伝わらない部分の欠落を感じることが多い。

朝 5 時半まで徹夜で仕事を片付け、6 時に新横浜を発つ新幹線に乗った。座れたものの隣が 2 歳くらいの女の子でずっと歌を歌いっぱなしで寝れない。途中で信号の故障もあったようで、30 分ほど遅れて京都入りし、そのままタクシーでリハーサルスタジオへ。

昨日修理から上がったギターを取り出し、リハを始めた途端弦が切れた。弦を張り直したりしていたので結局 1 時間くらいしか練習出来なかったのではないだろうか。そんなわけで、彼は少し誉めすぎだと思う。3 年ぶりの音合わせがわずか 1 時間。しかも、他バンドのメンバーの都合で我々がライブの大トリだという。ライブを無礼(ナメ)るなと言われそうな段取りだった。

会場入りして PA リハに入るが、指定したギターアンプが来ていなかったりマイクの数が合わなかったりでトラブル続き。今回、最後までそのトラブルの渦から逃れることは出来なかった。
他のバンドのリハーサルを聞きながらギター弦を張って、クロマチックチューナーを見ながらフロイドローズのファインチューナーでピッチを整えた。
ステージに上がってアンプの出音を聞いた瞬間 4 弦が半音低いことに気づいた。チューナーの目盛りの見間違いだ。しかし、この時点で 30 分以上スケジュールが押していて、既に我々の持ち時間は曲の正味の尺程度しかなかった。大急ぎでステージ上でチューニングし、そのまま曲になだれ込む。この時点で僕は今日は暴れるほうのパフォーマンスを優先することにした。

ご祝儀ムードのステージ・フロアのハイテンションもあり、一気に突っ走るようにステージは終わった。楽しいという意味ではベスト 3 、演奏の精度という意味ではワースト 3 という極端な出来だったけれど、まあ、追い出される本人たちがよしとしてくれたので僕も満足。まあ、今度やる時はもう少し聞かせる演奏ができるようにしよう。

その後、昔から変わらぬ 3 軒をハシゴする打ち上げ。全く寝ていなかったせいもあり、僕は例によってめちゃくちゃに酔った。いい加減人に心配や迷惑をかける飲み方はやめようと思っていたのに、またやってしまって自己嫌悪。追い出される主賓のにまでご迷惑をお掛けしまして申し訳ないです。

本当に、今度から自重しようと思っています。

明日は 2 年と 7 ヶ月ぶりのライブ。前のライブが志賀高原のサークル合宿でのミニライブだったので、実質ライブハウスでは丸 3 年ぶりだ。

とは言え、今日の午後 5 時くらいから本番なのに、まだ 1 回も全員が顔を合わせていないのはどうなんだろう。僕以外のメンバーは京都在住で、僕が横浜在住だからこんなことになるのだけれど。何となく出来がやばそうな雰囲気だけれど、僕自身が更なる地雷になりそうで不安。

ともあれ、今日やっとメインの楽器が修理から上がったので、僕としてはベストに近い状態で臨めるはずだ。グルーヴを作るところまでは難しいかもしれないけれど、27 歳男子なりに若者を刺激できればと思う。

先日 USB 2.0 と IEEE1394 のインターフェイスボードを増設するために、メインのマシンをラックから外し、作業後に元の位置に戻した。その際に、以前は隣のマシンと 3 cm くらいは間隔を空けて置いていたのを、うっかり 5 mm ほどまでベタ寄せにしてしまっていた。メインマシンは両サイドに吸気口があるタイプなので、片面がふさがれた分換気性能が悪くなり、今の CPU 温度はアイドリング状態でも普段より 5 ℃程高い 51.5 ℃。

こんな少しの空力的変化に影響される程度のものだとしたら、もしもある日 CPU ファンが停まってしまったりしたらどうなるんだろう。やはり炎上するのだろうか。恐ろしい。

氷結の新製品

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桃、マスカットに続く氷結果実の新製品。このシリーズは未だハズレ無し。

打ち合わせに向かう

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現在六本木。東横→日比谷線→丸の内線で東京駅に移動中。午後 4 時の打ち合わせに遅れそうなのはいかがなものか。

よく考えたら横浜に出てから東海道線に乗った方が早かったし、最後の手段としては新横浜から新幹線と言う手もあったじゃないか。せっかくの立地条件を無駄にしているようなものだ。それ以前に余裕を見て出かけるのが正しい社会人の姿か。

FLASHのサイトなどもう全く珍しくもないけれど、数多の凡作の中でも完全に異彩を放っている人たちがいる。きっと絵のうまさや音の綺麗さなどよりも、彼等の目からはこの世界の見え方が違うのだ。

[samorost]
チェコのデザイナー Jakub Dvorský の作品。矢印の方向に主人公を連れて行く形式のちょっとしたゲームになっている。柔らかく落ち着く音楽と、脱力を誘うような世界観。退廃の極みのようでいて美しい映像。何でそうなるんだと言うアクションの連発なので最後まで行ければそれなりの達成感が得られる。
この人の作る世界観は結構好きだけれど、事務所のサイト内のギャラリーにある食材をクリックすると電波が出る作品で björk の vespertine からの引用が非常に多かったのはちょっと残念だった。

[FLASHBACK]
チリ生まれ、スウェーデン在住のクリエイター、Danny Gomez の作品。FLASH 内でも使用されている SHPONGLE のジャケットを作ったりしている人のようだ。絶対ジャンキーに違いないと思わせるようなセンスだけれど、後半の曼荼羅みたいな部分を見ているとなぜか落ち着いてくるので繰り返し見てしまう。何と言うか、旧皮質に働きかけてくる色合いだと思う。

僕も人にこのくらいの衝撃を与えられる曲を作ってみたいものだと思う。

カードリーダライタ購入

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9 種類のメディアに対応しているドライブを買った。これで昔のデジカメのデータも携帯のメモリカードも、持っているメモリ系メディアは全部読むことが出来る。

普通の外食

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ファストフードや惣菜ではない外食はものすごく久しぶりな気がする。

moblog導入

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メールサーバとの連携の問題で今まで導入を躊躇していたけれど、遂に成功した模様。

僕は恋愛ジャンキーだと思う。
どちらかと言うと人間関係にポエティックなものを求め、この歳の男性なら当然持っているであろう、利害関係を主眼に据えた冷静な視点に立つことが難しい。

ちょうど後輩のサイトの掲示板で紹介されていた、男性度・女性度を測るテストをやってみた。

心理テスト(Female or Male Brain?)

思考パターンが男性的か女性的かを測るテスト。 0 ~ 150 点が男脳、150 ~ 180 点はオーバーラップ、180 ~ 300 点が女脳というテストで、僕の結果は 180 点。オーバーラップと女脳の境目だそうだ。

心理テスト(About Female or Male Attitude BSRI)

正確が男性的か女性的かを測るテスト。最低 1 ~ 最高 7 の指数で、女性度 6.4、男性度 4.9 の両性具有型との事。

やはりやや女性的であるとの結果が出た。別に男性を強く主張したいわけではないけれど、自分では恋愛に関する部分を除けば結構野郎臭にまみれていると思っていたので少し意外。

疑問

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仕事が終わらない。全然終わる気配もない。

土曜のタスク。金曜の打ち合わせで赤が入った提案書の修正に DB の概要設計書を追加して提出。同じ宛先の別案件の提案書、同設計書。今週全く進まなかった来週末納期の改修物件の着手。

そしてさらにこんな時間に見積 3 件作ってるし。最近見積出したのは、細かい案件まで数えるといくつになるんだろう。10 件超えるんだろうか。年度末進行でどんどん発注がかかるし。再来週にはまた新案件でその週末納期だし。

会社はこれで何とかぎりぎり回っている。僕のノルマを給料の 3 倍としたら、この受注ペースでぎりぎりだ。これは単に人月単価が安すぎるという話なのか。中小であるというだけで買い叩かれるのだから、そろそろ人月ベースの仕事は不公平だということに気が付いてほしい。

しかしまあ、定時に帰ってまともな給料をもらっている人たちの会社というのは、一体どんな経理で回っているんだろう。何かマジックがあるような気がしてならない。

包装

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古本屋でビニールで包装されたアンソロジー本を買った。

何だよこれ。表紙が好きな作家の絵だったので気に入って買ったのにその作家は本編で描いてないし。それどころか表紙とタイトルは幸せそうなのに内容は殺伐の極みで系統すら全然一致してないし。また失敗した。アンソロジーってそういうもんなんだろうか。本をきれいにしたいのはよくわかる。けれど、原価で売ってもよいから、ビニール包装している本を買う場合、内容の一部でも構わないのでレジ付近で確認させてくれるサービスをやっているところはないのだろうか。流行ると思うんだけれど。

逮捕

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知人が逮捕された。自宅に遊びに来たことのある人物が逮捕されたのは初めてだ。まあ、多少その傾向にあるとは思っていたけれど、そういう素振りを見せていても実際に行動には移さない人の方が多いと思う。やったかやらないかは別として、疑われるような行動からまず避けるべきだ。

僕は人間関係において相手の同意なく何かをするということを好まないのでこの手の事件の加害者になることはないと思う。人に何かする場合でも何かされる場合でも、いつも優しさに包まれていたらいいなと思うようなぬるい人間だから。

妄言

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失敗した。吐いてはいけない妄言を全く関係ない人に吐いたり、スケジュール管理を一日間違えたり。死ねば良いのに。だが今日死ぬわけにも行かない。現実はいつも残酷だ。

決別

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喪失」で少し触れた失った人物について、色々と考えた結果、一つの結論に至った。

初めて彼に会ったのは 7 年前の夏のことだった。

その前の年に会社を立ち上げたと聞いた頃からメールのやり取りはしていたものの、実際に会ってみると彼は思っていたよりもずっと大人だった。少なくとも僕にはそう見えて、およそ彼には隙がなかった。彼は今の僕と同じ歳で社長になったわけだが、会社を立ち上げてから 1 年の間に周囲に揉まれて、嫌でもそうならざるを得なかったのだと思う。

当時学生だった僕は、将来の職として考えていた業界の先達である彼に、折に触れ技術的な相談を持ちかけるようになった。多忙だからか返信は遅かったものの、現場からの確かな内容の返信をもらうことを重ね、僕は彼を信頼するようになった。

2000 年の 7 月、彼の会社の東京事務所が立ち上げられる計画が持ち上がった。10代の頃からの知人(前の会社の東京事務所長、かつ今の会社の立ち上げ時に同時に参加したシステム営業担当者)もその立ち上げに誘われていた。その人も当時別の業界でかなり有能な営業担当者として全国を飛び回っていたが、スピンアウトして新事業立ち上げを行うという。当時院試との掛け持ちで全く進んでいなかった就職活動の中、8 月 20 日、ひとまず僕はその新営業所立ち上げの内定を得た。

結局 50 社あまりを受けたけれども、他の会社に内定をもらうことは出来なかった。学校推薦に頼らず一般応募ばかりを受け続けたことが敗因だったのかもしれない。ただ、想定年俸プランを見る限りでは、他の会社に行くよりもずっと将来の可能性があるように思えたので、開拓心に燃えていた。

その後上京し、2001 年 4 月入社。自分の机を組み立てる所から始まる仕事。いきなり名古屋で 2 ヶ月間研修になるという想定外の出来事はあったけれど、会社のことを無計画だとは思わず、仕事はそういうものだろうと思っていた。概要だけ示されたパンフレットを元に仕様を想像して物を作る作業にも慣れ、いつからか土日も休めなくなり、会社に泊まりこむ日々が始まった。それでも売上が次期の給料に跳ね返ってくる事を頼りに、必死で頑張った。

当初 3 ヶ月で給料が見直されるということだったが、結局給料が見直されたのは 13 ヶ月目のことだった。それは当初のモデルプランの昇給とは全く異なるものだった。僕の売上が見込みより少なかったのかもしれない。この頃から、社の運営は厳しくなっているように見えた。なぜか借金の額が増大し、僕が昇給した分、他の社員の給料は下がっていた。仕事はますます忙しくなり、開発担当は毎月人月の 3 ~ 4 倍の売上を上げるようになった。売りが立たない月でも、修正などで同じ程度の工数を稼いでいた。しかし、幾ら努力しても会社の運営はますます傾いているように感じられた。それについては、彼から直々に海外企業に対する M & A を行うための投資や、海外企業の製品の買収・ローカライズ権取得費用によるものであると言う説明がなされた。彼は当時、毎週のように海外に出張に行っていたことからその説明は納得できるものだった。

しかし結局その海外の相手先企業は破綻した。時を同じくして給料の遅配や無配が続くようになった。いつしか取引銀行から手形帳を取り上げられ、総務は社員の給料を払うために商工ローンや果ては消費者金融までを駈けずり回っていたという。そして総務部長が突然失踪し、昨年 9 月に 2 年半勤めたその会社が破綻する直前には、借金取りが東京事務所に押しかけることを防ぐため、電話には出ず、夕方からは灯火管制のように暗闇で仕事をするようなことを経験した。しかし、それでも僕はそれは経営努力の結果、単に不運であったがために起こった結果だと信じていた。

会社が破綻した後、僕はその会社の本社のコアメンバーが業務引継ぎのために立ち上げた新たな会社と契約して東京で仕事を続けることになった。人数が激減したにも関わらず、旧会社の全ての業務を引き継いでいたため仕事は多忙を極め、本当に死んでしまうのではないかと自分で心配するようになった。命がなくては仕事は出来ないので、顧客に何とか譲歩してもらえないかと依頼する。その中で、僕は次第に彼の本当の姿を知ることとなる。

彼は全社員の給与総額に匹敵する額をほぼ毎月私用に使っていた。彼はアジアに海外出張に行っていたのではなく、その日程で愛人とヨーロッパに旅行に行ったりしていた。社員が稼いだ売上をどのように使うのかは社長の自由かもしれない。しかし、会社で借金をしてまで私用に費やしている社長を知らず、文字通り命を賭けて働いていた我々のこの数年間は何だったのか。社員を騙し、役員を騙し、監査法人を騙し、協力会社や取引先を騙し、そこまでして彼がしたかったことがどうしても理解出来なかった。初めから裏切られていたことを知ったとき、とてつもなく大切なものを失ったと感じた。

そして、しばらく考えてやっと気が付いた。文字通り、僕が信じていた彼と言う人間は初めからいなかったのだ。僕が感じたどうしようもない喪失感は、彼との決別に対してでなく、その虚像を見て過ごした時間に対するものだったのだろう。自分が人を信用するということがここまで根拠のないものだと判っただけでも収穫だった。

失った人間関係とそれに引きずられた時間を思い悩むよりは、これから先のより真っ当な人生について考えるべきだ。僕にはまだ少し、その時間はある。

あなたと仲良くなって 2 年と 7 ヶ月が経とうとしています。

覚えていますか?
最初は何故かお互い敬語だったことや、今とは呼び方も違ったこと。
価値観や物の考え方があまりにも似ていて笑ったこと。
ちょっと年上の僕に子供扱いされないようにと、精一杯頑張ってくれていたこと。
お互いにとって初めてのことをたくさん積み重ねたこと。
出会って 3 ヶ月で付き合い始めたのにそれから 9 ヶ月も会えなくて、再会の日は結局 1 年ぶりになってしまったこと。

不思議な関係だと思います。恋人同士なのに必要な時は兄妹代わりや一番の相談相手として振舞うこともあって、聞かされるのが辛い内容の相談にもお互いに真剣に乗ったり。連絡を取らなくなることはあってもなぜか揉めることは一度もなくて、すぐに元に戻ることができたり。いずれにせよ、他の誰でも代わりにはならない特別な存在なのは、今もこれからも変わることはないでしょう。

最初から最後まで一度も喧嘩もせず良い思い出しか残っていないので、僕はまだ、いつかまた何かが始まることを期待しています。元々遠距離なので別れた実感がそれほど強くないのも拍車をかけている気がします。相変わらず結構電話はするし、電話している途中であなたが安心して眠ってしまうのも変わらないし。今幸せが必要なあなたと将来幸せが必要な僕がさんざ話し合って納得ずくで決めた形は、世間の常識とは少し違うかも知れないけれど、幸せの形の一つだとは思います。

ただ、そうやって安定する位置を見つけてしまったことで、今後は恋人に戻ることはないのかも知れません。今思うと、最後に一緒に出かけた時にいつもより少しあなたのテンションが高かったのは、恋人でいる間にしか出来ないことでやり残していたことを全部やってしまって、僕が後悔しないようにしてくれたのかなと思えます。つないだ手を離したわけではないけれど、多分次に会う時にはこれまでとは少し違う距離を実感するのでしょう。これまでは二人きりのプロローグを楽しんできたわけですが、これからはお互いに登場人物を連れてきて、和やかな本編へ。

昨日に引き続きうさこ社長ヲチを決め込んでいるわけだが、「どん底の経験ってありますか?」 というのは難しい質問だと思う。

うさこ氏は以前に本当のどん底を経験したことがあるらしく、その時に比べたら今はマシだからまだ大丈夫だという。それに引き換え、僕は比較的怠惰に自分に優しく人に甘えた人生を送ってきたものだから、ある程度歳を取って責任から逃れられなくなってきて初めて地獄を見るようになってきた気がする。というのも、ここ数年、これが本当の底かと思ったらまだその先に転落していくように、どんどんシビアな状況が重なって来ているから。これから先、どうせもっと追い込まれて行くのなら、まだ今のうちに人生を楽しんでおけたら後悔しないのではないかと思う。

僕のどん底はきっとまだこの先にあって、その時に耐え切れるように今は自分を鍛える段階だと思う。どんなひどい状況になるのかは知らない。真冬に道端で寝ている人の数を見ろ。線路に散らばる肉の欠片になる敗残兵の残骸を見ろ。僕はきっとまだずっと幸せだ。

底の時期を乗り切った後に、親しい友人と呑底(どんぞこ)ででもささやかな打ち上げが出来れば、それだけで僕は自分の価値観では勝ち組なんじゃないかと思える。今はただ、河原で石を積み上げるのみ。