時が抜け落ちて明日

50日間の出張は終わった。
最近いいことは一つもないし、帰って来ても何かいいことがあるわけでもないけれど、久しぶりの自宅。
詰まってしまっている配管に塩素を流し、家出少女が撒き散らして行った絨毯のタバコの灰を掃除して、宛先が間違って届けられた郵便物に悪態をつき、過ぎた日付の同窓会の誘いの葉書を捨て、ベランダで枯れている観葉植物に謝り、何も変わらない日常に戻ろうとする。
疲れた。眠るヒマなんかないのに寝てしまう。そんなに寝たいなら一生眠ってしまえばいいのに。