Skip navigation

突風にあおられて、僕は手に持ったバスタオルで空を飛ぶ。吹き上げられたその一瞬は気持ちよいけれど、頂点に達してからはひたすら落ちる落ちる落ちる。地面に叩きつけられる寸前で木に引っかかったから助かった。救助に来てくれた人々はなぜか僕のことを不用意だと叱り、殺そうとする。別に自分から飛び上がったわけではないのに。
理不尽な人々から逃げ出すために、僕は時代錯誤の機関車を運転して線路を西に向かう。
線路に横たわる人々を何百本もの爆竹を鳴らして追い払い、それでも動かない人々は車輪に巻き込んで進んでいく。
京都を過ぎ、大阪を過ぎ、西宮を過ぎ、神戸を過ぎ、姫路に向かう頃には車輪は重く、歩くほどの速さでしか進めなくなった。
夜の11時を回っているというのに空には黄緑色をした太陽がギラギラと明るく、左手を緩やかに通り過ぎる球場の脇を変な竹馬にまたがった人々がぴょんぴょんと数十 m も飛び跳ねながら大騒ぎしている。きっと今日は花火が打ちあがる日なのだろう。
今日は風が強い。みんな燃えてしまえ。


Get Adobe Flash player